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「みんな信じてくれるかな…。」
やる気まんまんな杏子とは裏腹に、おれはこの方法にノリ気じゃなかった。
「やってみなきゃわからないでしょ!!
さぁ、メールを送るわよ!!」
他に何も方法が思いつかなかったおれは、しぶしぶメールを作った。
「こんな感じでいいかな??」
「ふんふんふん………、良いんじゃない!?
私もちょうど出来たわ。」
おれと杏子はSRWをやっている友達“ほとんど”にこのメールを送った。
「早くみんなからメールの返信来ないかしら!」
楽しげに杏子は言った。
「さっきはあんなテンション低かったのに…」
おれはボソッと呟いた。
しかし、杏子はそれを聞き逃さなかった。
「女の子はそういう生き物なの!!
仁こそ男ならもっとシャキッとしなさいよ!!」
杏子が喋り終わると同時におれの携帯が鳴った。
「……正吾だ!!コイツなら信じてくれると思ってたぜ!!」
「『信じてくれるのかなぁ』とか嘆いてたくせに…」
杏子はわざとおれに聞こえるように言ったが、おれは聞こえないフリをした。
そして、それから次から次へとメールが返ってきた。
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