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「シン……」
気が付くと目の前に、流れるような長い紅い髪をしたシンよりも明らかに年上な女性の姿があった。
「貴女は?」
「私は…デスティニー……」
彼女は悲しそうな瞳で、自分を見つめてくる。
何故そんなに悲しそうな顔をするのだろう。
「それは……お前が死んでしまうからに他ならん
ようやく私のマスターに足りうる奴と巡り会えたと言うのに」
デスティニーと名乗る少女が言った通りやはり自分は死ぬのだと思った瞬間に強烈な恐怖が沸き上がる。
ついさっきまでは、死を受けいれようとしていた自分なのにやはり本当に死ぬと思うと怖くてたまらなかった。
「うっ…うう……っぐ…ひっく」
涙が止まらない死ぬと言うのは、こんなにも怖いものだったのか。
そして、死と言う事に怯えていた少女を思い出した。
彼女はずっとこの恐怖に怯え続けていたのだろう、そして恐怖すら感じる暇も無く死んでしまった妹のマユは自分が死んで行くと言う事すら分からなかっだろう
だけど自分は違う死んでしまうと、自分の人生が此処で終わってしまうのだと思った今はもう “生きたい” どうしようもなく生きたい生きていたい。
「まだお前は生きたいか?」
コクりとシンは頷いた、そこにはザフトのエースでも無い16歳と言う歳相応の死を恐れる少年の顔があった。
「なら生きたいと強く念じろ……私の力をお前に与える」
「えっ?」
「お前はまだ死んでは、ならんのだ。
お前は選ばれたのだから」
「選ばれた?」
彼女はそう言うとシンの頬に手を沿えるとシンの唇に自分の唇を重ねる。
その瞬間、シンの身体に何かが混じった。
「これは契約、お前は私の願いを叶えて貰う」
「願い……それは何なの?」
「それはこの世界を……」
彼女が何かを言ったしかし、それが聞き取る瞬間に周りが紅く円陣が現れた。
「いったい何が起きるんだ!?」
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