終章

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 ほんの少し、そのことをわかってくれる人がいれば。  そして、そのことで何か一つでも、「きっかけ」が起きるならば。  何も伝えないよりも、良いと。  少しでも、可能性があることはしておきたかった。  報道されるかどうかは知らないし、確認する必要もない、と思った。  後は、自分のやるべきことをして、考えて行くだけだった。  どうして、我が子の死を望む親がいるのか。  どうしたら、良いのか。  自分にできることは、何なのか。  答えは出なくても、考えたいと思った。  自分を支えてくれた、幼子のために。  母に認められたいと願いながら違う世界へと行ってしまった教え子や、殺されたしまった子達のために。
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