終章

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 上半身裸の男の後ろ姿に、宝は問うた。 「いや」  だが、男の答えは短い。ならばそれは、 「君達の仕業か?」  宝は、ベッドのすぐ脇にいる少女の霊に話かけた。  千華子とよく似た面差しをしたその少女は、小さく笑っただけで何も言わなかった。 「何でここに来た?」 ―お礼を言いに来たの。  だが、次の問いにはあっさりとそう答えた。 「お礼?」 ―あなたは、あの子を助けてくれたから。あの子も、ずっと気にしていたし。  その言葉を聞いて、千華子らしいと、宝は思った。 「俺は、何もしていない」  実際、自分は何もしていなかった。  死を覚悟して悪鬼と化した若葉の所に乗り込んだものの、悪鬼を倒したのは、若葉が作ったサイトを利用して「殺された」子ども達の霊だった。
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