終章

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 だが何よりも、千華子自身が。 「それ以上の『力』を、あいつは持っているんだ」  無自覚とは言え、「神」を召還させていた。  あの時、聖母マリアのイメージが浮かんでいたが、あれは紛れもなく、「神」の力だった。  「神」を召還し、「神」の力を使う。  今回は癒しの力だったが、己の身が「死」に近付いた時、容赦なく千華子は「力」を使うだろう。  そして、そのことを「姉」である理華子も止めはしない。  妹に「力」を使わせないことを最上としているらしい理華子も、「命」に関わる時は、その邪魔をしなかった。 「戸口さんにも、言っておいたけど。絶対に、手を出す相手じゃない。……ヘタに手を出したら、こっちが殺される」
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