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「柚さんのせいじゃあないですよ。誰だって、自分に探偵が付けられているなんて思いもしませんから」
だがそのことを柚木に言うことはできず、千華子は別のことを口にした。
新見じゅえるの母親は、新見じゅえるが死んだ後、妹のてぃあらの担任だった柚木に、どうやら探偵を付けていたらしい。
それは柚木だけではなくて、新見じゅえるの担任だった教師、てぃあらの担任だった教師にすら、交代で付けていたらしいのだ。
だが、たった一人だけ付けられていない担任がいた。
それが、今はもう教師を辞めていた、千華子だったのだ。
その事実を事情聴取の時に刑事から聞いた時、千華子は本当に驚愕した。
「何で……」と、思わず呟いてしまったほどだった。
千華子には、わからない。
娘の死後、かつての担任達に、探偵を付けてまで身辺を調査させた、新見じゅえるの母親の気持ちも。
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