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「新見さんが天降川で死ぬ前にね、幼稚園の男の子がやっぱり天降川で水死体として発見されたの。だから、新見さんが続けて死んだ時、地元じゃけっこう大騒ぎだったの。だって、二人続けてだからね。だけど、その男の子が中学の制服を着た女の子と一緒だったという目撃証言があったらしくて……新見さん、その時、学校休んでいたらしいの」
千華子は、ぎゅっと目を閉じた。
おそらく、警察は、新見じゅえるを疑っていたのだろう。
そして、新見じゅえるの母親に事情聴取をしたのだ。
母親は、その後に新見じゅえるを責めて、追い込まれた新見じゅえるは、自殺したのかもしれない。
あるいは……新見じゅえるの母親が、手を下したのかもしれない。
「何を……求めていたのかな?私や他の先生達に探偵付けて、どうして欲しかったのかな」
呟くように、柚木は言った。
「……わかりません」
それに対して、千華子は小さく呟く。
本当にわからなかった。
新見じゅえるの気持ちも、その母親の気持ちも。
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