7 |未来《ねがい》

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 千華子にわかるのは、新見じゅえるは死んでもなお、母親の愛情を求めていて、だけどその気持ちが叶うことがなかった、ということだけだ。 「私には、わかりません……」  願ったのは、唯一つ。  教え子の、幸せだった。  後にも先にも、それ以外望んだことはなかった。  だが、その願いは叶わなかった。  そう……叶わなかったのだ。 「わかりません、本当に……!」 「千華ちゃん……」  かわいい女の子だった。  本当に、心の底から未来を信じていた。  幸せになると、信じていたのだ。  あんな死に方を、あんな惨い事をする子ではなかったのだ。  千華子は目を閉じたまま、流れていく涙を止めることができなかった。  だけど、その涙が、新見じゅえるに届かないことを、十分にわかっていた。
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