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軽くため息を吐きながら、千華子は準備を済ませると、急いで店の入口へと戻った。
「じゃあ、お願いしていい?」
千華子が店長に駆け寄ると、開口一番、店長はそう言った。
もうすぐお昼で、お客が増える時間帯なのだ。
店長としても、店に戻りたいのだろう。
「わかりました」
そう考えた千華子は、店長の言葉に頷く。
祭壇を作るといっても、バケツに花を生けるぐらいだ。
ただ、バケツを置く場は、考えなくてはならなかった。
あまり店からは離れていなくてあまり目立たなく、自動ドアの開閉や、道路や駐車場を通る車にも、邪魔にならない場所でなくてはならない。
千華子は周囲をぐるっと見回し、ふと、裏の出入り口付近はどうだろうか、と思い付いた。
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