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「とった!」
決死のジャンプで取った封筒
丁度風が止みふわ、と封筒が落ちかけたところを右手で掴み取った
なんだか優越感
まぁそれは置いておこう
竹林を抜けると広い平地に出た
そこには西洋造りの家が一軒。古いのかひびのある壁には葉の蔓が張り付いていた
看板には「『S』美味しいストロベリータルトはいかが?」とお洒落な文字で記してある。封筒を見つめ中身を取り出す。中身には丁寧な文字で「あなたをご招待いたします。S」というメモ帳と赤いチケットが入っていた
封筒の差出人を確かめると『気の向くままに。』と記されている。
どのような意味かはわからないけどこの場所だと言うのはあっているはずだ
辺りを見ても人はおらずこんな所に入るのは気が引けるが装飾された扉を引いた
「ふわ…」
ワインレッドのカーペットの続く奥は暗く、仄かに蝋燭のオレンジが浮かんでいた。ほんとに大丈夫なのだろうか、心配になってしまう
ごぉぉ、と重たい音が耳に響いた。風が吸い込まれている?この暗い奥に風が吸い込まれてゆく
風に押されるようにそのカーペットを踏んだ
「こーくん?」
彼は先にいるのだろうか。待ってるから、と言われてもこんなところに彼がほんとに居る?
色んな不安が浮かぶが前に足をすすめた
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