729人が本棚に入れています
本棚に追加
歌声が空に消えた
「葵さん。なにしてるの?」
「ん。なんかね、そらが欲しくなった」
すっ、と手を翳すそこは手だけじゃ持てないくらい広い空
「なんでそらが青いかしってる?」
「知りませんね」
「あのね、海に恋したからなんだって」
「そうなんですか?」
「さぁ?…なんかかなしいよね」
「なんで?」
音もなく雲は静かに流れた
「だってそらはうみに触ることもキスすることもできないんだよ?かわいそ」
真っ青なそらが悲しそうに歪んでみえた
(僕たちはそらでもうみでもないから)
(キスだって触れることだってできるよ)
(幸せなんだよ)
.
こんな黄蒼がすき
どらいで、ちょっと甘かったり
なんてね
最初のコメントを投稿しよう!