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あのパーネ先生の依頼の後、それぞれが生徒達のちょっとした依頼をこなし、しばらく全員揃って一つのクエストに挑戦することはなかった。
それが、現在久々に集結してあるクエストに向かっていた。
「……暑っ。」
「ホントね。……あ~、暑っ!」
「あのさ~、アンタら静かにできないワケ~?マジこっちまであちぃんだけど~……。」
一行がいるのはカッサータ砂漠。そして今いるのはいつもの6人でなく、4人ともう一人、パーティに加わっている。
話は少々前後する。
ある日、次に受ける依頼を探しにシュラインが図書室を訪れると、ちょうどオリーブが新しいクエストを張り出しにやってきた。
「あ、シュラインちゃん。ちょうどいいところに!」
「え?私が何か?」
「うん、まあ君達のパーティに受けて欲しいクエストがあって……。」
いいながらある依頼をシュラインに見せる。
「『ヴォローネのお願い』?……ヴォローネ?」
「これ、依頼主はコッパなんだけど、ヴォローネって名前の子、いたかな~、と思って。」
「う~ん……。知りませんね……。」
「そっかあ……。でも、何か危ないから、君達にできれば行ってほしいかも。君達のパーティはなにしろ実力ならだれより信頼できるからね。」
というわけでこの気になる依頼を受けることになったのだが、このクエストは依頼主はコッパとなってはいたが、実際は迷宮で冒険者を狙う盗賊、ヴォローネからの依頼だった。
彼女は相方と共に盗みを働いているらしいが、どうやらその相方がカッサータ砂漠で『ピンクグリズリー』なる魔物に襲われてピンチらしい。それで助けを求めて来たらしいのだが……。
「絶っっ対に!俺は断る!!」
「私も嫌っ!!」
シェイドとチルルが猛反対した。
「あんなヤツ、同族とは認めない!調子こくな一人じゃ何もできないガキが!」
「何なの、あの態度!?人にモノを頼むならもっとそれなりの態度があんでしょ!これだからエルフは!!」
「まあまあ、二人とも、落ち着いてください!」
「「うるさい!」」
珍しく団結している。
その後も長々とこの依頼をどうするか話し合いは続いた。とりあえず引き受けることにはしてある。しかし、別に校内の人物の依頼でない以上、引き受ける義務があるワケではない。
ついでに、この猛反対派がどうにかならなければ多分永遠にこのままだ。
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