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「つーかさ、アンタら人の命懸かってるってのに、緊張感なさすぎね?マジ、ピンクグリズリーやべえんだって!」
「……でそのやべえのに襲われてんのに相方置いてこんなとこに?」
「うっせーよ!いいからさっさと探すよ!」
「ヴァズ、口は災いの元よ。」
「そうみたいだな……。」
クエストに来たメンバーはヴォローネにしっかり叩き伸ばされていた。あの二人の判断もまた、考えようによっては正解と言えよう。
とにかく暑い。砂漠の暑さはだてじゃない。シュラインはダウン寸前だろうか。もともとそんなに生き生きしているワケではないが(ノームはなんとなくぽや~んとしている気がする)、ほけー、として足取りがおぼつかない。かなりふらふらしている。
「シュライン、大丈夫?」
「……はい……。」
もともと声は張ってないが、いつになく消え入りそうだ。
「シェイドがいればなあ……。魔法で何かしてくれる気が……。」
「いえ、彼、魔法は無駄撃ちしないんで多分冷ややかに自分でどうにかしろってことになりそうですよ。」
「そうだな……。」
「マジ暑い暑い言うなし。根性ねぇな。」
「暑いモンは仕方ねぇだろ!?」
「ヴァズ、やめて。暑苦しい。」
そしてとにかく広い。さらに流砂に足を取られて思うように進めない。砂に流されて、気がつくと同じ場所にいたりする。
「歩きにくっ!」
「足元気をつけて歩かないとね……っきゃあ!」
カンナが流砂に足を取られて流されていく。
「お~い、カンナー!大丈夫かー!?」
「大丈夫なワケないでしょー!?」
ヴァズが後を追って救出に向かうが、結局流されている。仕方ないのでエストが空中から助けに向かった。
「マジもうありえなくね?アタシ、他ンとこ探すから。」
「え?あ、はい……。」
ヴォローネはシュラインと共に少々残念な感じになったバハムーン達を眺め、すっかり呆れて先に奥へと進んでいく。とりあえず厄介払いになった……のか?
「あー、もう!無理!」
「砂の魔術ですね……。魔術と言えば……」
「おっとシュライン、その先は言うな。」
「でもあの二人の痴話喧嘩がないと調子狂うわね。」
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