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どこの世界にそんな学生がいるんだよ。
下手したら飛び級くらい余裕で出来るのだろう。むしろ、彼にはその方が合うだろう。
「ともかく、私の実験……保健室でたむろしないで下さい!ほら、カンナさんも手当てはこれで大丈夫ですから、早く帰って下さい。」
「先生!俺のは?」
「そのくらい男なら自分でどうにか出来るでしょう。だめなら丁度魔法使いもいますから。キシシシシ……。」
無理。そんなこんなで三人は保健室を追い出された。
と、丁度そこにエストが通りかかった。
「あ、やっぱりここにいましたか!体育館裏では先輩方がボコボコにされてるし、校庭には明らか盗まれたバイクがあるからそうかな~、と思ったんですが。」
目撃した情報が謎だ。
「何?どうかしたの?」
「えと、皆さんがいないうちに新しいクエストを受領しておきました!」
「サンキュー、エスト!で、どんな内容?」
「それが……、隣のクラスの担任のパーネ先生の依頼なんですけど、何でも『魔女の森』にあるっていう『世界秘宝大全集』って本を探して欲しいらしいんです。」
「へぇ~、あの先生でもやっぱりお宝とか興味あるんだ……。」
「……におうな。」
パーネ先生は隣のクラスの担任で聖術の担当。どこかのディアボロスの先生とは違い、優しく、穏和な性格で、基本的には誰からも好かれている。特に、男子生徒から見れば憧れの的だ。
純粋で無欲なイメージが強かったりするのだが……。
「におう……って、何が?」
「……パーネ先生。何か前からずっと思ってたんだが、何かあの感じが作りモノっぽいんだよ……。」
「気のせいじゃない?」
「ん……。」
そういえば、隣のクラスで、ジェラートとつるんでいるセレスティアのパンナも同じようなことを言っていた。
エルフが言う分には単なる好みの問題のような気もしないでもない。だが、同族であるセレスティアの意見には説得力がある。
「ともかく、受けちまった依頼はちゃんとやんないとだろ?そんな考えたって変わんねえって!」
ヴァズが景気づけた。
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