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「何かいい策は……。あっ!」
エストが辺りを見回す。
「どうした、エスト。」
「上から落下の勢い込みで全員で一点を狙って集中的に攻撃したらどうかな~……と。」
「おお!名案だ!」
「いや、待て。お前らは飛べるからいいが、俺らはどうなる?」
「そうですね……。よじ登ればいいと思います。」
「エスト、テメエなめてるだろ?」
「やめてくださいよ、人聞きの悪い!」
「お~い、ソコ!コントやってるヒマがあるなら助けてくれないかな!?」
エストの提案にシェイドが突っ込みを入れ、コントも同然のやり取りとなる。そしてカンナが止める。
チルルが突貫しては弾かれ、カンナとヴァズが炎を吐くが通用しない。シュラインも精一杯の援護をする。
「あの……。私もエストさんの案に賛成というか……、ちょっと改良した案が……」
いろいろしつつ二人のやり取りを聞いていたシュラインが口を開く。
一度体勢を整えに外にでる。
そして、チルルとシェイドだけが再び戻り、敵を挑発する。
「や~い、『世界秘宝大全集』は私のモノだかんね~!悔しかったら護ってみろよ~!」
幼稚園生か!
思わず突っ込みたくなるところだが、あえてスルー。
一方、残りは……
「いい?あいつが真下に来たら一斉に飛び降りるわよ!」
「おう!……でも、怖えー……。」
「私もこんな高いところ初めましてです……。」
「言い出したはいいですけど、いざ実践するのはなんだか……。」
飛べるメンバー(シュラインはエストに持ち上げてもらっています。念のため。)は天井に張り付いていた。
あ、バハムーンは一応飛べる方向で。
天井組は下で二人が上手く相手を誘導してくれるのを待ち、うまい位置に来たところで飛び降り、落下の衝撃込みで一撃をぶつける。
「鬼さん、鬼さん、こっちだよ~♪」
「チルル!こっちだ!」
「わーってるよ!こちとら攻撃かわしながらなんだから、そう上手くいくかっての!」
「うるさいバカ犬!」
「あっ、またバカ犬って言った!」
「文句あんのか!?いいからこっちだ!」
もっとも下にいるのが相性最悪な二人というのがいただけないが……。
幸い、戦いの場は狭い。変に失敗する恐れはないが宝石達の突撃やらなにやらを避けつつ動くのは難しいものもある。
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