世界秘宝大全集

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上を見つつシェイドが位置を調整し、チルルがそこへ襲ってくる宝石を誘導する。 「……よし!そこだ!」 「みんなぁー!おっけいだよー!!」 チルルが天井に張り付く部隊に呼びかけ、ひとまず敵の狙いを少々危険ではあるが、シェイドに移し、自身も壁をよじ登った。 「行くわよ!」 「狙いを定めて……」 「いっけええええーーーーー!!!」 『集中砲火』! 一斉に武器を構えて天井から飛び降り(チルルはもう少し低い位置から壁を蹴って跳んで)、宝石目掛けて一撃を食らわせる。 第一撃、チルルの攻撃ではそれほど充分なダメージにはならなかったが、続くカンナとヴァズの攻撃に、さすがの強度の宝石にもヒビが入る。そして、シュラインとエストが後押しする。 トドメは…… 「唸れ、雷!『サンダー』!!」 パワーMAXで雷の魔法を撃ち込んだ。 本気の雷撃に、ヒビ入った辺りから宝石は砕け、さっきまで襲ってきていたとは思えないほど力無く地に落ちた。 「う~ん……、またおいしいところは取られた気がするけど……。」 「なんとかやり切ったみたいね。」 「よし、さっさとアレ持って帰るか!」 ヴァズが今度こそ目的の本を手に取り、外へ歩きだした。 「あっ!ちょっと待ってください!」 エストが慌てて呼び止めた。 「なんだよエスト。」 「この宝石、持って帰ったらビスコ先生、多めに単位くれるかも……!」 「んなワケあるか!」 ヴァズに拳を喰らってもエストはなお宝石のカケラを拾い集め、満足するだけ拾い終えると、ようやく帰ることになった。 ちなみに、この宝石のカケラ、エストは本当に持って帰って、彼の所属するレンジャー科のビスコ先生に見せたが、「だからどうした」で終わったそうだ。
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