7人が本棚に入れています
本棚に追加
上を見つつシェイドが位置を調整し、チルルがそこへ襲ってくる宝石を誘導する。
「……よし!そこだ!」
「みんなぁー!おっけいだよー!!」
チルルが天井に張り付く部隊に呼びかけ、ひとまず敵の狙いを少々危険ではあるが、シェイドに移し、自身も壁をよじ登った。
「行くわよ!」
「狙いを定めて……」
「いっけええええーーーーー!!!」
『集中砲火』!
一斉に武器を構えて天井から飛び降り(チルルはもう少し低い位置から壁を蹴って跳んで)、宝石目掛けて一撃を食らわせる。
第一撃、チルルの攻撃ではそれほど充分なダメージにはならなかったが、続くカンナとヴァズの攻撃に、さすがの強度の宝石にもヒビが入る。そして、シュラインとエストが後押しする。
トドメは……
「唸れ、雷!『サンダー』!!」
パワーMAXで雷の魔法を撃ち込んだ。
本気の雷撃に、ヒビ入った辺りから宝石は砕け、さっきまで襲ってきていたとは思えないほど力無く地に落ちた。
「う~ん……、またおいしいところは取られた気がするけど……。」
「なんとかやり切ったみたいね。」
「よし、さっさとアレ持って帰るか!」
ヴァズが今度こそ目的の本を手に取り、外へ歩きだした。
「あっ!ちょっと待ってください!」
エストが慌てて呼び止めた。
「なんだよエスト。」
「この宝石、持って帰ったらビスコ先生、多めに単位くれるかも……!」
「んなワケあるか!」
ヴァズに拳を喰らってもエストはなお宝石のカケラを拾い集め、満足するだけ拾い終えると、ようやく帰ることになった。
ちなみに、この宝石のカケラ、エストは本当に持って帰って、彼の所属するレンジャー科のビスコ先生に見せたが、「だからどうした」で終わったそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!