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…………………
「……………あの…………………萌香さん…………?」
いな…い…?
「ウソだろ?おい萌香!実はいるんだろ!?無視してたこと謝るから…!おい…」
オレは学校の校門付近をくるくる回って探していた。不審者にしか見えない光景なのだが、そんなことを気にしてる時間すらもったいない。
オレはホントに必死になって探した。
とはいえ相手は透明。学校の屋上から一円玉を投げて、それを探すことよりもずっとずっと難しい。
「くそ…携番も知らないし、家も知らないし…まさかこのままもう会えないんじゃ…」
…………いや、そんなことはない。
オレは探すのを止めて、学校に入ってった。
開き直った訳じゃない。
携番を知らなくったって、住所を知らなくったって、あの墓地があるじゃないか…!
あそこに行けば、必ずまた会える。オレはそう信じて、職員室を探した。
………で、職員室はこの奥か…
掲示板に貼ってある地図を頼りに、職員室まで来ることが出来た。
が、開けることが出来なかった…
オレってホントヘタレ…
トントン。
「…え?」
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