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…オレは安心した。
今の音は肩を叩く音じゃなくてドアをノックする音だけど…
もちろんヘタレなオレがしたわけじゃない。
ドアの前に誰もいないのに、ノックの音がするなんて…あいつがいるとしか考えられない。
そしてひとりでにドアが開いた。
オレは確信する。萌香がそこにいると。
ふ…やってくれるじゃん…ここまでされたら職員室に入るしかないよな。
オレは嬉しくてつい笑いそうになった。
別にMっ気があるわけではなく…
背中を押してくれたのが、純粋に嬉しかったからだ。
「?
だれかな?見かけない顔だけど…新入生?遅刻したの?」
…オレはつい笑いそうになった。
オレに話しかけてきた先生…日本を代表する教頭って感じだった。
いつも威張っているが校長には絶対逆らった事が無さそうな顔(?)。若かりし時から掛けてそうな四角いメガネ。極めつけは頭にある綺麗なバーコード。
それに身長の低さ。
脳内の教頭像そっくりそのままだ。
この概念オレだけだったらごめんね?
クスクス…
こら!後ろで笑わない!オレが笑ってる風に見られるだろ…
「…そうなんです。学校が楽しみで昨日なかなか寝付けなくて…」
「うーん…丁度入学式終わる時間帯だし…名前教えてよ。教室にそのまま行って?」
「はい、島谷光です。」
「し、し、し…しまたに…あった。1-Aだね。ちなみにボクは数学の教師だから。袖山って言います。よろしく。」
「え!?今なんと?」
多分聞き間違い。オレは耳の穴をかっぽじって耳を澄ませた。
「?
君の教室は1-A、ボクは数学の教師。」
…なんて言うか、もうこの学校退学したい。笑
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