1-A

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…オレは安心した。 今の音は肩を叩く音じゃなくてドアをノックする音だけど… もちろんヘタレなオレがしたわけじゃない。 ドアの前に誰もいないのに、ノックの音がするなんて…あいつがいるとしか考えられない。 そしてひとりでにドアが開いた。 オレは確信する。萌香がそこにいると。 ふ…やってくれるじゃん…ここまでされたら職員室に入るしかないよな。 オレは嬉しくてつい笑いそうになった。 別にMっ気があるわけではなく… 背中を押してくれたのが、純粋に嬉しかったからだ。 「? だれかな?見かけない顔だけど…新入生?遅刻したの?」 …オレはつい笑いそうになった。 オレに話しかけてきた先生…日本を代表する教頭って感じだった。 いつも威張っているが校長には絶対逆らった事が無さそうな顔(?)。若かりし時から掛けてそうな四角いメガネ。極めつけは頭にある綺麗なバーコード。 それに身長の低さ。 脳内の教頭像そっくりそのままだ。 この概念オレだけだったらごめんね? クスクス… こら!後ろで笑わない!オレが笑ってる風に見られるだろ… 「…そうなんです。学校が楽しみで昨日なかなか寝付けなくて…」 「うーん…丁度入学式終わる時間帯だし…名前教えてよ。教室にそのまま行って?」 「はい、島谷光です。」 「し、し、し…しまたに…あった。1-Aだね。ちなみにボクは数学の教師だから。袖山って言います。よろしく。」 「え!?今なんと?」 多分聞き間違い。オレは耳の穴をかっぽじって耳を澄ませた。 「? 君の教室は1-A、ボクは数学の教師。」 …なんて言うか、もうこの学校退学したい。笑
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