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「ん?なんか用かしら?」
「あの…西高ってどうやって行くかご存じないですか??」
敬語をちゃんと使えてるか不安だが、そんなことを一々気にする暇もない。オレはおばあさんの返答を待った。
「西高…西高…あ、あそこね。取って置きの近道があるんだけど、あなた怖いのとか大丈夫かしら?」
「?大丈夫ですけど…墓地を通ったりするんですか?」
「そうなの。最近は変な噂があって、誰も近付かないのよ。なんでも、お化けが出るらしいわよ?」
「ハハ、大丈夫です。霊なんて信じてないんで。どうせどっかの噂好きがウソでっち上げてるだけですよ」
………世間話で時間くっちまった…どうやらここから真っ直ぐで行けるらしい。
近道教えてもらってホント感謝だな。
5分くらい走ると、噂の墓地があった。
ここが噂の…結構奇妙な場所だな。肝試し気分でゆっくり歩いて行くか。
そう思い歩き始めた瞬間―事件が起きた。
トントン。
鳥肌がたった。
霊を信じてないと言っても、産まれてこのかた心霊経験がなかったからで…これが初めてだったのかも知れない。
そう思うと全身から変な汗が…
オレはおそるおそる後ろを振り返る。
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