120人が本棚に入れています
本棚に追加
「親がいないって…どうゆうこと??」
「聞かないでよ!」
…二人とも…いないのか?オレは一人暮らしして親から離れて嬉しかった。
けど、ホントにいなくなったらオレも悲しむだろうな…
オレはお節介だと思ったが、これ以上この子の悲しんだ顔を見たくなかったので正しくないとわかっててもまた聞いてしまった。
「あの…悲しい事かも知れないけど、話したら気持ちが楽になるんじゃない??一人でしょい込まないで、オレに話してみてよ。」
………………
沈黙。めっちゃ気まずい…あれから5年たったんじゃないか??そう思わせるほど、とても長く感じた。
やっぱ聞かない方が良かったか…
「ごめん…」
「ごめん!」
ほとんど同時だった。オレはどうしていいか分からず、少し考え込んでいると彼女が飛び付いてきた。
「ずっとひどりで…ざびじがった…」
理性のためにさっきからずっと見ないよう心掛けてたが、抱きついてくるのは見るのの何十倍もの破壊力だ。
正直しんどかったが状況が状況なのでオレはグッと我慢した。
「…ずっと一人か…寂しかったよね…でも今は一人じゃないでしょ??」
「え?」
「オレがいるじゃん。オレ、日中は学校にいってるけど、終わったらすぐ帰るからさ。そしたら会いに来なよ?ちゃんと服着てね。」
「うん…ありがと!」
彼女の抱きしめる力が強くなってきた。
「ちょ…苦しいです…」
「あぁ、ごめん…嬉しくってつい…」
オレは少し名残惜しかったが、とりあえず離れてもらった。
最初のコメントを投稿しよう!