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「―――ああ、予定通り頼む」
そこは俺の相棒が居る部屋。中で何やら電話をしているようだが、俺は迷わず入った。
「おい要(かなめ)、電話終わったら話あるぁ!」
「よろしく頼む。……なんだよコウ、五月蝿いぞ」
相棒のコイツの名は相賀 要。不機嫌に膨らんでいる。一応上司なのだが、要はそういう上下関係が嫌いらしく、相棒として接してくれている。
それだけが理由ではないが。
「まぁそんな膨れんなよォ。シアンからの報告だ、また起きたぜ。例の『人斬り』事件」
それを聞いた要はフゥとため息を吐き、背もたれに深く沈み込む。
「またか……。今回もまたあの人の近くの人がやられたのか?」
「みたいだ。目撃証言もいつもと同じ」
例の『人斬り』事件とは、ある国会議員の周りの人物が次々と殺されているという事件だ。死因は刃物による殺傷。そして全身を骨まで燃やす死体遺棄法。
骨まで灰になるならなぜ殺人が起きたとわかるか。……写るのだ、道路に、人形の黒い焼け焦げた跡が。
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