第五章

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  猫が伸びるみたいに両手を挙げて伸びをしている。 「相変わらず可愛いですね。」 からかいを含めてそう言っても、ニコニコと笑ったまま言い返してはこない。 若干つまらない。 激しく言い返してくれたら、からかいがいがあるというのに…。 「で、わざわざ呼び出してなんですか?どっか行くんですよね。」 「あ~面倒だからここでいいや。お前…親が再婚したんだろ?」 …は? 「…誰にも言ってないはずなんですけど。第一呼び出しといて面倒で片付けるのはどうかと思いますけど。」 軽く睨みながら見つめるが、表情が変わらない為読むことが出来ない。 昔から、この人は思惑を隠すのが上手い人だった。 ただ笑っているように見えても、その奥で何を考えているのかは量り知れない。  
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