第三章

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  首を回しながら確かめてみるが、お嬢様方が一列に並んでいるから、いかんせん見えにくい。 「何なの?」 ナミなら当然知ってるだろうと思い振り向くと、他の女子のように完全に乙女と化していた。 胸元で手を組み合わせ、目を爛々と輝かせている。 ちなみに普通より上目使いな気がするが、私より背の高いナミだからよく分からない。 あれ?いきなり恋する乙女みたいになってるけど…。 何でだ? 変わりようを呆然と眺めていると、また女子の黄色い悲鳴が聞こえ、隣にいるナミまでも『きゃっ』なんて小声を出していた。 そのあまりにも大きな音に、耳を塞ぎながら発生源の方を向く。  
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