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その後『ごめん、ごめん』と笑いながら手を外したお姫様は、いきなりくるっと私の方を振り向いた。
「貴女が転入生の子?」
小首を傾げながらきいてくるそのお姫様は、良く見れば可愛いかった。
ふわっふわのキャラメル色の髪を、肩で切り揃えて軽く内巻きにしている。
丸い目にぽってりとした唇が良くあっていて、見るからに守ってあげたくなるような子だった。
なるほど…囲まれていたのが頷ける。
「はい。今日転入して来た八雲心矢と言います。」
私が名前を告げると、まるで花が咲いたような笑顔で微笑んでくれた。
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