第三章

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  あの後無事三百と五十のタイム取りをした私は、今Sクラスのドアの前にいる。 何故かナミと一緒に。 場所を聞いただけなのに、いきなり私の手を取って走り出した時には、思わずデジャヴュと呟いてしまった。 「…場所さえ教えてくれれば、一人で来れたのに。」 鼻息荒くドアを見詰めるナミにボソッと呟く。 「何言ってんの?普通はSクラスに入れないんだから、こんな機会逃すはずないじゃん!!」 いくらなんでも興奮しすぎでしょ。 苦笑いがこぼれる私と、拳を握りしめるナミ。 「特別なことがないと先生達でも入れないんだよ?ミヤが十夜様と智様の妹だって聞いた時には、マジで嬉しかったんだから!!」 力説するナミに、白けた目を向ける。  
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