第五章

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  一息つきながら、隅にあるベンチに腰掛けて待っていると、一台のバイク音がしてきた。 マフラーを改造しているせいで酷く煩い。 ご近所迷惑を少しは考えれば良いのに…あんなに煩くして何が良いんだろう。 近付くにつれて大きくなる音は、まさしく地響きのようだ。 やがて公園に入って来たバイクは私の目の前で止まった。 「よ、久しぶりだな!」 そう言いながら、ニカッと笑った 間辺(マナベ)さんは相変わらず笑顔が子供のようだ。 金髪をツンツン立たせた髪型も、笑うと出る八重歯も、男にしては低い身長も、全て変わっていない。 「お久しぶりです。相変わらず元気そうですね?」 「おうよ!」 再びニカッと笑った後、軽々とバイクから飛び降りて私の横に腰掛けた。  
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