砂漠の雨

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ここは砂の街『シェメイデック』 数年前から雨は一粒足りとも降る事はない。 温暖化により、井戸の水も枯れ、この国の生活は隣の国から引かれた水の管によって生活がなり立っている。 もちろん管と言ってもタダではない。 一回につき20デューン掛かる。 20デューンって言うのは、日本円に直したら200円だ。だがこの国での一日の貰える額は日本円で2000円程…。 この地区では水がどれだけ貴重か分かるだろう。 一人の女性は水の管ーウォルメイアーから、シェメイデックに向かって、歩いて行った。 灼熱の太陽によって焼けない様に、長い布を巻いた民族衣装に身を包み、両手と頭には水の詰まった容器を持って。 (シェメイデックまであと2キロ…か。…でも毎日水汲みに行かないと傷むし…。) 彼女が歩いて行くと、一人の男性が倒れていた。 行き掛けには見かけなかったところを見ると、旅行者だろうか? 格好からしてこの辺りの者ではなく、旅行者にしては鞄がえらく大きい。 彼女は慌てて水を下ろし、男性に駆け寄った。
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