砂漠の雨

7/15
前へ
/17ページ
次へ
「ここがシェメイデックよ。…お水運んでくれてありがとう。」 「あのさ…町長さん…って言うか…村長さんに会いたいんだけど…案内してくれない?」 リルフェムは水を家に置いてからと言う約束で、案内役を引き受けた。 「リルフェム!!…誰だよ?コイツは?」 「…変な格好だなぁ。」 「…え?…彼は行き倒れになってたの。…それで村長に用があるらしいから…」 若い青年達はじろじろと和都を見回した。 「ねぇ…リル…彼らは知り合い?」 『…!!!…何だよリルフェムの彼氏か~♪』 「Σちっ!!…違っ!!」 慌てるリルフェムに、青年達はからかいながら、走り去って行った。 「だからさっき言ったじゃないっ!!!…もう…変な勘違いされたわ…」 真っ赤になってそっぽを向くリルフェムに、和都は謝った。 「ごめんね…つい…ι……そうだよね。勘違いされたら困るよね?」 「っ…ち…違うわよ…。貴方の彼女や奥さんに悪いでしょ…」 和都は唖然としながら、頭の中で整理していた。 (…つまり…リルは僕に彼女や奥さんが居ると…勘違いされたら可哀相だから怒ってたって事か…)
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加