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和都はリルフェムを見つめると告げた。
「残念ながら彼女も奥さんも居ないんだ。」
「そ…そうなの?……!…あ…ここが家だから、ちょっと待ってて…」
リルフェムは真っ赤になりながら、水を家の中へと運んで行った。
数分後…
「お待たせ。…村長の家だったわね。」
出て来たリルフェムは紅い石で出来たイヤリングをしていた。
「……そのイヤリング綺麗だね♪…さっきはしてなかったよね?村長さんの家に行くからオシャレして来たの?」
「…!!…気付いてくれたの?…村長の家に行くからじゃないわ…。……後は自分で考えて。」
リルフェムは言わなかったが、この地方では好きな人とのデートの時に、紅い石のイヤリングを着ける風習があった。
リルフェムにとって和都は、もう既に『惹かれる謎の男性』から、『本当に好きな人』になっていたのである。
ただ…リルフェムの中では、どれだけ考えても、この恋は失恋になるとしか思えなかったが…。
村長の家に着くと、二人は直ぐに村長の前へと通された。
大きな獣の敷物や、様々な牙などが、流通の賜物だと告げていた。
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