†第一章†

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15分した所で大きな門が見えてきた。 いつも見慣れたこの学校。 「お母さんも通ってたんだよね…」 ボソッとそんな言葉を口にした。 その時は何故か気持ちが開いてた…油断、してた…。 “ドクンッ!!!” 急に何かで胸の奥を刺されたようにいたくなった。 「っ…!」 息が早くなっていく… 久しぶりにくるこの 苦しい痛み… 「!?………お嬢様!大丈夫ですか!!」 運転手が真奈美の異変に気付き急いで駐車場に車を止め、真奈美の近くにくる。 「ハァハァハァッ…薬っ!」 薬は精神安定剤。 本当は使いたくないけど、仕方がない。 「はい、かしこまりました。」 運転手が慌てて薬のある場所を探す。 落ち着いて…大丈夫、大丈夫。 いつも苦しくなると自分の体をごまかすため、話かける。 「お嬢様、お薬でございます。お水を…」 薬を3錠口に入れ思いっきり水を飲む。 それから5分後、だいぶ落ち着いた。 「もう大丈夫、行くね。」笑顔を作って、車を出る。 「お嬢様!いつでも帰ってきてもよろしいのですよ。連絡を頂ければすぐに向かいます!」 遠くなった私に安心させるために言葉をくれる。 「うん!私我慢する程強い子じゃないから安心して!」 そう言って校舎に走って行った。
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