《五十四話》離ればなれに……?

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 結果はともかくとして、とりあえずの決着にほっとした。  あたしたちはバカップルを放置して、地下の駐車場へ向かうためにエレベーターに乗っていた。 警備の人たちはいない。 「ねぇ、け……んっ!」  乗り込んで一息ついたところで圭季の名前を呼ぼうとしたら、抱き寄せられて唇をふさがれた。  ちょっと! ここは一応、公共の場! いつだれが乗ってくるのか分からないのに!  だから抵抗したけど、びくともしない。 ヘンタイ椿じゃないんだから勘弁してよ!  肩を二・三度叩いたら、ようやく唇は離してくれた。 「見せつけられたから」  煽られないでよ! 「しばらくは注意が必要だけど、あの様子だと大丈夫だろう」 「一人で外出しても……?」 「うん、いいよ」  ようやくあたしに日常が戻ってくる……?  一人で学校に行けるし、アルバイトにも、遊びも! 「でも、しばらくは学校の送り迎えはさせるから」  そっ、そうね。 いきなりってのはあたしのことだから戸惑いそうだから。 その申し出はありがたかった。 。.。:+* ゚ ゜゚ *+:。.。:+* ゚ ゜゚ *+  橘家に戻ると、圭季に応接間に連れてこられた。 疲れたから部屋に戻って休みたいのにと思いつつ、ついて行くと……。 父と綾子さん、和明さんがいた。 早く結果を知りたくて、待っていたらしい。  圭季がことの顛末を簡潔に説明をした。 「……ということは」 「はい、チョコの身の危険はなくなったとみて問題ないでしょう」  その言葉に綾子さんは涙を浮かべていた。 「チョコちゃん、よく頑張ったわね」  そういってあたしの手をぎゅっと握りしめてくれた。 綾子さんの温もりにじんわりと心が温かくなった。
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