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「チョコちゃんって悩んでいてもだれにも相談しようとしないから、なにかあったらオレか梨奈に言うんだよ」
「あ……うん、ありがとう」
とは言うけど、今まで相談なんてしたことがないから、どうすればいいのか分からない。
「圭季も悩み事を言わないし、ほんっと二人してそういうところが似てるから、困るというか、わかりやすいというか」
と那津はつぶやいている。
あたしと圭季、似てるの? 全然似てないと思うんだけどなぁ。
話をしているうちに橘家にたどり着いたようだ。
那津は急に『執事スマイル』をして、あたしを車の外へと導く。
外に出ると、少し肌寒いけどさわやかな風。
春なんだな、と実感する。
「ほらほら、圭季のお母さんが今か今かと待ってるんだから、早く入って!」
那津にせかされて、あたしは久しぶりの橘家へ足を踏み入れたのだった。
【つづく】
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