《一話》大学生になりました!

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「そうそう、チョコは笑ってなさい。 あなたに悲しい顔は似合わないっ!」 「あの……それってタダのお馬鹿さんなんでは?」 「馬鹿は世界で最強なのよ! あんたの笑顔は最強!」  一生懸命になって励ましてくれている朱里に申し訳なくて、あたしはがんばって笑うことにした。 「さて、行きましょ」  いつも朱里には申し訳ないと思う。 いつか呆れて朱里も離れて行ってしまうのかな。 ああ、今日のあたしはとってもネガティブだ。 こんなんじゃ駄目だ。 「よし、競争しよう!」  あたしは嫌な考えを振り払うように、走りだした。 「チョコ、早速だけど、栄養学部は逆方向だよ!」  大げさにこける真似をしたら、朱里に大笑いされた。 朱里がこっちだよ、と手招きをしてくれたので、走ってそちらへと向かった。 【つづく】
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