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レベルアッパー
おれ達は巧の家で昨日の事について話していた。
「最近能力者の犯罪が増えてる気がする」
巧は椅子に座って部屋の中央にあるテーブルに置かれたマグカップを手に取りコーヒーを自分だけ飲んでホッと一息ついてから言った。
「昨日の爆弾魔以外にも銀行強盗とか常盤台女子中狩り、能力にモノをいわせてジャッジメントを気にせずカツアゲ万引きなんかもいるらしいな」
コーヒーを出してもらえなかったおれはベッドに座りため息をついてから細かく説明した。
「確かにそうだけどそれと一緒に能力のレベルがわりと上なのが犯人に多いらしいよ」
窓際でタバコを吸っていた玉木も更に付け加えて言った。...おい高校生。
「なんでこんなに犯罪が増えるんだ!」
「いや、てか犯罪の前に高レベルの能力者がもっと増えてると思わね?」
「ほう、よくぞそこに気づいたな愚民共」
またお前か...。おれが何となくそうなのではないかと思い、言ったことに対して何処から湧いて出てきたのか伊藤が、玉木のいた方とは別の窓際に立っていた。なんかフッとか言っている。腹立つなぁ
「そう、犯罪の増加は能力値の上昇した人の数に比例しているのだ。そして今能力の上昇が異例の早さで行われている。それはなぜか...どうやっているのか。
能力を短期間で簡単に上げる『レベルアッパー』と言う道具が出回っているかららしい。」
「...能力が簡単に上がる、レベルアッパー...。いーねそれ!」
巧がいつもの事だが急にテンションを上げて言った。
「でもどうゆーやつなんだ?形とか使い方とかさ」
ベッドで横たわっていたおれはムクッと起き上がりまず誰もが思うことを聞いてみた。
「それは...まだわからない。」
わからなくても仕様がないとは思うが何故か伊藤はさっきまでのドヤ顔とはうってかわって一気にショボくれた表情になっていた。
「いや落ち込むなよ、しょうがないだろ」
「だめだ!我輩はレベル5になるんだ!絶対に!!」
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