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すぐに俺たちは銀行から少し離れたゲームセンターに着いた。そのゲーセンは体育館半分くらいの大きさで一階しかなく、この街では小さな方になるだろう。
「お、対戦相手いるし」
おれはいつもやっているゲームの一つ、『猫拳』が置いてある方を見た。
四台あるうちの一台がプレイ中で、そのプレイヤーと後ろの観覧席にいた三人は△△高校の制服を着ていた。
一緒に遊びに来た友達だろう。
「まだまだガードがあまいな」
巧もそのプレイを見ていて、腕を組みながらドヤ顔(何かをやってのけたような偉そうな表情)で感想を言って述べた。
「そーかな?弱くわないと思うよ」
オレからすればガードは大きい技に対してはちゃんとできているし空中コンボもできているから標準並の強さはあるかと…。
そう思いながら椅子に腰掛け財布から百円玉を取出しゲーム機に投入した。
おれはチャイナ服を着たツインテールの中国娘を使い、三ラウンド先取ゲームでストレート勝ちした。
これが何回続いただろう…二十連勝くらいしたところで、相手はあきらめたみたいだ。
「ほら弱かった」
右隣のゲーム機の椅子に座って見ていた巧が何故か偉そうに言ってきた。
「いや、おれが強いんだよ」
余裕の表情をしてそう言ってやった。
「…あっちの奴ら全員立ってこっち来てるよ」
玉木はおれと巧の間に顔をくぐらせそう呟くように言った。
するときれいな灰皿が飛んできた後、直ぐ様対戦相手が仲間と四人しておれの左側にて立ちはだかり睨み付けてきた。
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