日常

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「オイおまえ!格ゲーで弱いものいじめして調子にのってんじゃねーよ!リアルの闘いじゃ勝てないからって憂さ晴らししてんだろ!?」 椅子に座ってゲームをしていたおれに対し腕を組んで上から見下ろして言ってきた。 おそらく対戦相手本人だろう。 弱いものいじめって…連コ(連続で百円玉を投入してプレイ)しまくってた奴の言う台詞じゃないな。 まさか今時こんな輩がいるとは…恥ずかしくないのか? おれはそう思いながらもとりあえず無視して画面一点を見つめ、ゲームを続けていた。 「オイ聞いてんのか?なにビビってんだよ」 小馬鹿にした感じでそう言ってきた。 「リアルが弱いならこれからは格ゲーやって調子にのるな…よ!」 一呼吸溜めて相手は右手を振りかぶって殴ろうとしてきた。 オレの顔に当たる直前にパシッとその右手は受けとめられていた。 「おまえウザイ…ゲームで負けたくらいでなんなんだ」 右手を受けとめたのは巧だった。 ブスッとした表情でブツブツとそう言い、手を下に降ろさせた。 「な、なんだおまえ!やんのかオラ!」 後ろにいた三人の内一人が拳と平手をバシッと打ちながら言ってきた。 「あぁ。おめぇらムカつくから相手になってやるよ。玉木と内藤さんそのままゲームやってて」 「頑張るねー」 「ぅん、言われなくても初めからそのつもりだった。」 玉木とおれは特に何事もない感じのテンションで言って、ゲームをし続ける。 「ハハッ!なんだおまえ一人か?全員で来たってそっちは一人足りないのに余裕じゃねぇのよ」 対戦相手だったやつが笑いながらそう言うと後ろの奴等も続けて笑ってきた。 「おめぇらこそ余裕こいてていいんだな?一人足りないのはそっちなんだぜ?」 そう言って巧は棒立ちのまま自分を中心にして作り出した分身は横にスライドし、一人...二人と本人の両サイドに増えていく。
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