日常

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「くっそ!強すぎだろ」 …そう。闘って三分、おれは圧倒的な力の差を思い知った。 レベル3の仲間二人はやられてしまったが、レベル4のおれならなんとかなるかもしれない。 そんなことを思っていた自分が恥ずかしい。 何発電流を放っただろうか…どんなに大容量の電撃を浴びせても、奴は効いていない。 むしろ吸収して力に変えているようにも見える。 しかし、なぜか奴はおれに攻撃してこない。 じわじわ痛め付けておもちゃにして遊ぶ気だ! 酷すぎる… お願いだ…。頼むから、夢なら覚めてくれ……。 ………。 「!!?」 今の時間は六時半。 まだかなり早い。 …はい。目が覚めました。 とりあえすおれは二度寝を試みたが、過激な夢のあとだった為寝れなかった。 特にやることもなく適当に漫画を読んでいたら高校への登校時間が近づいてきた。 「せっかく早起きしたんだ。早めに学校行ってみっかな」 近くのアパートに住んでるから徒歩十分で着くわけだが。 家を出てしばらく歩くと、おれと同じ制服を着た髪の毛ツンツンの男子が慌てた表情をしながら目の前を走り去って行った。 おそらく一つ下の後輩だろう。 「不幸だー!」 そう叫ぶ男子の後ろから今度はなんとあの常盤台中学の制服を着た女子が走ってきた。 「待ちなさいよ!勝負しろってー!!」 そう叫んで走り去っていった。 ちなみに常盤台女子中学とは、エリートお嬢様の集まる学校で能力は最低でもレベル3の天才揃いの中学校だ。 それからレベルだが、今現在ではレベル0から5に分類されており、レベル0は能力を開花されていない無能力者で、どんなに弱い能力でも備わっていればレベル1となる。 あとは各データに基づいて能力を数値化してレベルを別ける。 「朝早くから…若いのは元気がいいねぇ」 年が大して変わらないのにそんな親父くさい台詞を捨てて、おれは再び学校へ向かった。
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