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朝のホームルームが始まって五分、ドタドタと足音が聞こえてきた。
ガラッ!
「すいませんせんせんせい!遅れました!」
先生にも劣らない勢いでドアを開け、そう言って飛び込むように教室に入ってきたその男は二階堂巧。
これで俺たち三人が揃った。
「さっさと席に着け」
先生にそう言われてすぐに席に着いた。
また説教されるかと思ってたがめずらしく今日は機嫌がいいのだろうか…。
出欠確認をとり、先生が話し始める。
「赤点者は補習ぅぅぅ!!!」
て、鉄人!?
教卓を両手でバンと叩き叫びだした。
この学校では試験召喚戦争など無いから、たまたまその台詞だったのだろう。
先生は続けて話す。
「明日から夏休みなわけだが、赤点者は夏休みの半分を失うと思え!」
そう言った後、赤点者の名前が発表されていった。
二階堂巧!
……玉木康機!
………
「以上!」
まぁ巧はわかりきってたけど、いつも計算したようにギリギリ合格してた玉木は意外だな…。
ホームルームが終わり、そう思っていると低能しゃ…いや、赤点者の二人がやってきた。
「なんで内藤さん補習ないんだ!?」
巧が悔しそうに言ってきた。
今更の紹介だが、おれの名前は内藤尋幸(ひろゆき)です。
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