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「ふ、久しぶりだな愚民共」
間違いない…あのきのこ頭に赤眼鏡。
「久しぶりだな伊藤」
ここで無視すると落ち込んだのがバレないようにやたらテンション上げてくるからしかたなくあいさつしてやった。
こいつは伊藤妖介(ようすけ)。
メロンパンみたいな顔をし、常にメロンパンを手にして共食いしている。
どこから出したかわからないが、今もう一つを空いている手で掴み、二つを交互に食いあさっている。
「まいうまぃう」
…古いよ伊藤…。似合ってるけど。
ちなみに伊藤はこのクラスで三人しかいないレベル4の能力者の一人だ。
そう。おれと同じレベル4なんだが…
その能力は『メロンパンプロジェクション』(メロンパンを生産する能力)であるため、日常的にはいい能力かもしれないが、戦闘には不向きなのは確かだ。
きっとメロンパンへの愛がレベル4へと導いたんだろう。
どんだけ好きなんだメロンパン…。
「今日学校帰りに買い物行くんだが、おまえたちも連れていってあげようかと思ってな」
伊藤が腕を組みながら偉そうに言ってきたがおれが速攻で拒否してみた。
「俺たち今日はゲーセン行くことにしてたから一人で行け」
「え?ゲーセ…」
「ふ、貴様等よく私が行こうとした場所がわかったな。褒めてやろう。では行こうでわないか」
玉木がさらに上乗せして拒否しようとしてたが、一瞬にして封じられた。
一瞬で…切り替えの早いやつだ。
てかそのノリいつまで続ける気だろう…本当はこんなやつじゃないんだ。
たぶん
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