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「またゲーセン?好きだねー。おれすることないな…」
やっぱり玉木は乗り気じゃないようだ。
「一回やったら買い物行こう!連続プレイ日数ってやつ終わらせたくないからさ」
とりあえずこの場ではすぐに終わる的なことを言っといてゲーセンに行ってしまえばこっちのもんだ。
「おれはできるのあるからまぁいいかな」
巧もあんまり乗り気ではなさそうだ…。
空気読めよおれ!
今日の授業は終わり、予定どおりゲーセンに向かうことにした。
「なあ玉木、車操ってくれ」
おれは生徒玄関から外に出てすぐ、サラッと言ってみた。
「いや無理でしょ。大抵の車なら一分あれば自由に操れるようになるけど、それ盗難じゃん!?」
そうだったな…その能力いい使い道あんのか?
と、そこへ巧が慌てて喚き始めた。
「なにあの車!誰も乗ってないのに動いてる!」
おれと玉木は…あ、あと伊藤も、巧が指さす方を向いた。
そこには二人乗り用の小さな車が生徒玄関の横をノロノロと通過して校門に向かって行った。
「よく見るとあれ子萌先生じゃね?」
おれは桃色の髪の毛がかろうじて見えたのだ。
「え?あ、本当だ!あれ足とどいてんの?」
笑いながら巧がつっこんだ。
「ふ、あの車にはハンドルの部分に手動型アクセルが配置されているのさ」
また伊藤が偉そうに言ってきた。
古畑にん〇ぶろ〇のように片手だけを頭にあててだ…。
さすが伊藤。三次元だろうと萌えを見つけたらとことん追求するとわ。
必死に話をズラしますが…玉木の能力についてだ。
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