奏汰君

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奏汰君が引っ越して11年… 私は高校入学を控えた春休みを楽しんでいた。 今日は中学の友達男女合わせて5人と少し遅い卒業兼高校入学祝いパーティーをするために近所のカラオケで遊ぶ事になった。 「りか残念☆罰ゲームね♪♪」 「え~っさっきの歌かんなり自信あったのにぃ~。70点とかあり得ない。」 りかが落胆しているのを気にせずクラスメイトの男子が罰ゲームのお題を出し始め「ちょっとベタだけど…りかちゃんの初恋の相手♪」 『イェーイ☆』 みんな一斉に盛り上がった。 「今更だから言うよ♪名字忘れたけど…幼稚園一緒だった奏汰君。愛夢と幼なじみだったから妬いてた記憶あったんだよね♪愛夢は憶えてない??奏汰君の事☆」 私はりかの一言で奏汰君の存在を思い出した。 奏汰君はあの時またここに戻って来るって言ってたからいつ帰ってくるのか小1くらいまでドキドキしながら待っていたが結局帰ってくる訳もなく、別の好きな男の子を想っているうちに忘れてしまっていたのだった。 あんなにいつも一緒だったのに時が経つのって恐ろしい…
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