Non vi Cherry

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Hikaru Side 「よお」 黒いローブを羽織ったボロボロの姿の男が店にくる。 目の下までマフラーで身を包み、両手は包帯を巻いた男は黙って、ブーツを鳴らして、鉄板の床を歩く… 「鉛でも欲しいのか…?」 カチャッと引き金を引き、銃口向けると男の足は止まる。 「やめてくれないかな、痛いのは嫌い」 ガッチリとした体とは正反対のまだ、幼い声 クスッと笑うと、男…いや、圭人は顔を出す。 「ね、弾が切れたから新しいのちょーだい」 当たり前のようにねだる客は、俺のお得意様。 圭人は銃を懐から3丁出すと、無造作に机の上に置く。 「おい…カノンをここまでボロボロにしやがって…整備してんのか?」 「まぁ、ボチボチ…」 圭人の銃はすべて特注品 伊野尾によって改造もされている、リボルバーもある。 「油さし位しろよ…俺だって暇じゃないんだ」 「暇になったらね」 「暇なくせに」 「暇じゃないもん、毎日お水あげて、寝て、食べて、寝て、食べて……「もういいよ」 全部銃を分解していく… 血の塊が相変わらず、銃の中に転がっていた 「圭人、この前、銃を見せたのは2週間前だ…何人殺した?」 圭人は指折り数えていた手を止め、くるりとコッチを見る。 「40人くらい……?」 圭人の目を見る。 嫌な汗が背筋を流れるのがわかる。 どうして、コイツは俺に似ているんだろ 「銃は良い…殺した感覚が手に残らないから…何人でも躊躇なく撃てるんだ」 圭人は整備し終わった銃を受け取ると満足げに笑った。 「クレイジーだよ…本当に、僕は」 「…そうだな」 「侑李が居るから僕は…僕のままでいられる……光君」 「何だ?」 「あさってだね」 「………あぁ」 圭人はローブを被ると、店を出ていった 影をひとつ残して………
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