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鬱蒼と木々が生い茂る森の中。 その中に少し開けた場所があった。 そこには色とりどりの花が咲き、美しい蝶や鳥の姿があり、幻想的な雰囲気を醸しだしていた。 そこに彼は倒れていた。 歳で言うと16くらいの少年で 目鼻立ちがよく、周りの美しさに見劣りしないほどである。 寝ているのかも知れない もしかしたら死んでいるのかも知れない。 とにかく分かることはそこに倒れているという事実のみであった。 彼がそこに“現れて”からどれくらい時間が経っただろうか。 彼は周りと一体化し、自然の一部と化していた。 その証拠に、小動物達が彼の近くに警戒なく近づき 鳥が彼の背中に止まり羽を休めていた。 場所を同じくして、一匹の艶やかな蝶がいた。 飛び回った後、その蝶が彼を見つけた。
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