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自分に相応しい場所を見つけたかのように彼の髪に止まる。 その時、彼は目を“醒ました” 瞼を開けると、彼は全身をぴくっと震わせた。 すると、鳥は飛び立ち、その音で小動物は逃げて行った。 蝶は相変わらず頭に乗ったままだった。 続いて、彼は手をゆっくりと動かし始める。 右手から、次に左手を地面に突くとゆっくりと上半身を起こした。 彼が体を起こしても尚、蝶は離れない。 彼は辺りを見回した。 彼はようやく思考が戻った彼はふと、思った。 何故、自分は森の中にいるのだろう 何故……? 自分が何者かさえ分からない。 頭の中がからっぽだ。 彼は額に手を当て、必死に思考を巡らした。 だか、何も思い出せない。 思い出すも何も、記憶など端から持ち合わせていなかったのかもしれない 完全なる虚無は彼を絶望へと誘った。
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