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「あんた、記憶……失ってんのか?」 少年の問いに彼は頷く。 「何か分かることはないか?」 彼は少年の問いに首を横に振る。 彼は再び絶望を感じ始めた。 「……名前は分かるか?」 そう言って少年は彼の瞳を見つめる。 「なま……え」 突然彼の脳裏に何かが浮かび始める。 ゆっくりと、彼の中で構成され始めたそれは、彼の口からゆっくりと発っせられ始める。 「なまえは……れ……い」 そうだ…… 思い出した。 「僕の名前はレイだ」 彼は絶望の中に一筋の光りを見つけた気がした。 自分の名前を思い出せたお陰で。 先程まで片言だった彼、レイの口調が急に変わったので少し驚いたが少年は笑顔でこう言った。 「レイ、か。オレと一緒の名前だな。オレはゼロって名前なんだ」
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