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しばらく、何も考える気になれなかった。
坊さんのお経だけが虚しく頭の中に響く。
「そんなお経じゃ、俺は成仏できね~つうの・・・」
気付けばずっと、立ちっぱなしだった俺は、父さんの横に座った。父さんは下を向いたまま動かない。
「はぁ~父さん、俺ほんとに死んだのか?受け入れられねぇよ。」
・・・・
「いつも通り返事なしか・・・これじゃ生きてても死んでても変わんねぇな・・・。」
俺は父さんのやつれた横顔を見つめ、1年前の出来事を思い起こした。
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