馬鹿は死んでも治らない!?

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   *   *  それから特に変わったこともなく、日々は過ぎて行った。  ようやく文緒は期末試験を迎え、最終日、兄貴がいきなり文緒を迎えに行け、と言ってきた。 「いや俺、仕事中だぜ」 「いいから行け」  なんだかよくわからないけど、俺は文緒の学校に向かった。  学校に着くと、すでに帰宅を始めた学生がちらちらと見えた。  文緒はまだ帰ってないよな?  携帯電話を取り出し、メールを打とうとしたらトントン、と窓をたたかれた。  俺は驚いて顔をあげ、窓の外を見た。  いつか見た、ノリちゃんが少し困った表情で俺を見ていた。  俺は窓を開けた。 「こんにちは、ノリちゃん」  向こうは明らかにほっとした表情になった。  ノリちゃんは自分のことを覚えてないかも、と思っていたのかもしれない。 「文緒なら今日は日直だからもう少ししないと出てこないですよ」 「あ、そうなんだ。ありがとう」  今日の朝もやっぱり顔を合わせられなかったから、そういう情報をもらえるのはありがたい。  それでも一応、メールはしておこう。  それより、文緒はノリちゃんに俺のことをなんて言ってるんだろう?  明らかにこんなおっさん、本気で彼氏と思ってるのかな。 「気をつけて帰れよ」  ……このセリフもなんかおっさんだ。  ノリちゃんは少し照れたような笑みを浮かべ、小さく会釈をして去って行った。
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