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「お、俺だってな、つらいんだぞ。文緒が十位以内に入るまで禁欲生活送ってやるから!」
ったく、どこの男子中高生だよ。
文緒は不満そうな顔をしていたけど、
「分かった」
と小さくつぶやいて一度、俺の部屋を出た。
あああ、約束したけど俺、自信がない!
絶対「だれも見てないからいいよね?」という誘惑に負けそう。
いや、見てないわけではない。
兄貴にはばれる!
うっわー。
ちょっと俺、それだけで興奮してきた。
普通なら知ってるのは自分だけ、なのに兄貴は「見える」からなぁ。
あ。
目隠ししてやれば……。
いやいやいや、どこまで変態思考なんだ、俺。
俺が葛藤している間に文緒は勉強道具を取りに行ったらしく、学校のかばんを持って部屋に戻ってきた。
「睦貴?」
俺の変態思考を察したのか、文緒が不思議そうな顔をして俺を見ている。
「いや、なんでもない。とりあえず、中間試験の結果を見せて」
文緒はしぶりながら俺に問題用紙と解答用紙を渡してきた。
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