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「さて……と。声は小さめにな」
俺の部屋に入ってきた柚木はいつもとは違った感じではあった。
他人の部屋だから、興味があるのかそこら中をキョロキョロと見渡している。
「そんなに見たって面白いものはないぞ」
「意外ね」
「ん?……何が?」
「男の人の部屋ってもっとゴチャゴチャしたものだと思ってたわ」
まあ確かに俺の部屋は片付いている。
友達の家よりかは物も少なく、部屋のレイアウトはシンプルだ。
しいて言えば本棚が汚いぐらいか。
雑誌置き場には見られたくない雑誌が何冊かある。言わずもがな。
「ほめことばとして受け取っておく、だがあんまり人の部屋をキョロキョロ見渡すものじゃないぞ」
「わかってるわよ、ヘヘン、あなた何か隠し事でも?」
何を言っているんだこいつは……。
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