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「ヤバイ、ヤバイぞ」
「やばいってあんた……考えてなかったの?」
「おう、図星だ」
「まったく、信じられない!」
下から物音が聞こえる。
俺の部屋に向かう足音だとわかった。またその正体が母親だということも。
「おい!とりあえずタンスの横に隠れろ!」
ドアが開く、やはり母親だった。
「あら、あんたいつの間に散歩から帰ってきてたの?…あ、長谷川くんいるわよー。
早くいきなさいねー。」
「あーはいはい。わかったー」
ドアが閉まる。安堵のため息がでた。
「危なかったわねー。こっちがヒヤヒヤするわ」
「あー、すまんすまん。とりあえずもう長谷川がいるらしいから、諦めていくしかないな」
柚木は微妙な表情を浮かべていた。
「とりあえず親にばれないように外に出よう」
「了解。任せたわよ」
部屋を静かに出て、玄関まで運よくたどりつく。柚木の隠していた靴を取り出し、二人とも靴をはき、外に出た。
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