第一章【不気味な朝】

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「ヤバイ、ヤバイぞ」 「やばいってあんた……考えてなかったの?」 「おう、図星だ」 「まったく、信じられない!」 下から物音が聞こえる。 俺の部屋に向かう足音だとわかった。またその正体が母親だということも。 「おい!とりあえずタンスの横に隠れろ!」 ドアが開く、やはり母親だった。 「あら、あんたいつの間に散歩から帰ってきてたの?…あ、長谷川くんいるわよー。 早くいきなさいねー。」 「あーはいはい。わかったー」 ドアが閉まる。安堵のため息がでた。 「危なかったわねー。こっちがヒヤヒヤするわ」 「あー、すまんすまん。とりあえずもう長谷川がいるらしいから、諦めていくしかないな」 柚木は微妙な表情を浮かべていた。 「とりあえず親にばれないように外に出よう」 「了解。任せたわよ」 部屋を静かに出て、玄関まで運よくたどりつく。柚木の隠していた靴を取り出し、二人とも靴をはき、外に出た。
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